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もはや「教育大国」ではない日本

「子どもや若者自身の『実感』」の項目で、「孤独を感じる(I feel lonely)」と答えた日本の15歳の割合は29.8%だった。世界の経済先進国の中で頭抜けて高かった。平均値は7.4%。二桁台は2ヶ国のみ。日本に続くのはアイスランド(10.3%)とポーランド(8.4%)の数値。


 更に「疎外されている(I feel awkward and out of place)」と感じる割合は、平均値9.8%に対し、日本は18.1%。世界一孤独な日本の子供たち。経済大国で何故、と思わざるを得ない。子供がいる家庭で、働く親がいない家庭の割合で日本は0.4%。平均値は5.0%。経済的には余程うまくいっている国で一体何が起きているのだろうか。

 しかし、一見うまくいっている経済面にも綻びが見え隠れする。平均的な世帯収入を100とした場合の、50以下の世帯を「貧困」世帯と定義してみよう。この「貧困」世帯割合が日本は高い方に位置する。14.3%。この数値は米英も高い(米21.7%、英16.2%)。

 もっと驚くのは、この「貧困」世帯割合と同じ「物質的厚生」項目での日本の低レベル振りだ。学習環境が劣悪な児童の割合が53.3%。これは「学習机の保有」「静かな勉強場所」「辞書」「計算道具」「教科書」「学習用のコンピューター」「ネット接続環境」など、学習環境の充実を象徴する8品目中、所有が6品目未満の家庭の割合。経済大国日本の、これが家庭の姿だろうかと、あれだけ教育熱心だったはずの日本が一体どうなってしまったんだろうと、目を疑わずにはいられない惨状だ。

 親の意識に何らかの変化が起きたとしか思えない。現在中学生クラスの子供を持つ親は40歳前後。その親が中学生の頃とは1980年前後。そう、昭和52年度学習指導要領より実施された「ゆとり教育」世代である。更に彼ら彼女らを教えた教師は、昭和44年「教育の現代化」の変革を経験した世代である。これらの影響がこのたびの調査結果にどう影響しているかは、専門家の分析を待たなければならないだろう。

 最後に「子どもや若者自身の『実感』」中の項目、「向上心」。「30歳になった時、どんな仕事についていると思いますか」との質問に対して、「非熟練労働(low skilled work)への従事」と答えた日本の15歳の割合は、データ不十分の日本なども含めた25か国中最高の、50.3%に達した(平均値27.5%)。

 子供はその国の「未来」である。資源のない日本は、「貿易立国」と同時に「知識立国」でなければならない。戦後、教育水準の高さをベースに、こんにちの経済大国の礎は築かれたのだった。子供の過半が「low skilled work」を志向する、ないし予想する国の「未来」は一体どういうものになるのだろうか。

by   at 11:37
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